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 | 絹は生き物です。間違った方法によるご自宅でのお手入れは、せっかくのおきものを台無しにしてしまう恐れもあります。当店としては、全てのお手入れはきもの専門店にお出しいただくのが無難と考えます。
きものや帯のお手入れは、手間がかかり、めんどくさいものです。でも、こう考えてみてはどうでしょう?きものは洋服と違って、永い歴史のなかで日本人の体格・肌の色に合うように研究し続けられた結果、形や柄や生地が完成されたもので、ほぼ不変的なものです。
つまり、今後あなたのおきものはお手入れさえきちんと行えば、お嬢様(息子様)の代、お孫様の代、曾孫様の代…と脈々と受け継ぐことが出来るのです。現に当社のお客様の中にも、成人式におばあ様のお振袖をお召しになった方、ご結婚式でおばあ様お母様お嬢様三代と、同じ打掛をお召しになった方が大勢いらっしゃいます。とてもすばらしいことだと思います。
きものが普段着であった昔、お手入れは日常のものでした。そうでなくなった現在、きもの専門店でしかできないプロの技で、お手入れをお手伝いする。そして大切なきものを永く着ていただく。これが当店のお手入れに対する考え方の基本です。
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 | お手入れ方法 |
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■ お召しになった後のお手入れ
お召しになった後はまず、日の当たらない風通しの良い場所で、えもんかけ等にかけて1日ほど陰干ししてください。汗シミは最初目には見えず、後々じわじわと目に見えて出てきます。そのため、すぐにたたんでたんすにしまわず、この陰干しを行うことで汗を引かすわけです。又、かなりの汗を脇や帯下におかきになった場合は、はやめにきもの専門店へ汗抜きに出されることをお勧めします。
■ 半衿のお手入れ
絹100%のものでなければ、長襦袢から取り外してご自宅の洗濯機で洗えます。
■ 長襦袢のお手入れ
長襦袢はきものよりお肌に密着する部分が多いので、シミや汚れが付きやすいものです。お手入れ方法としては生き洗いやまる洗い、汗抜きとなりますが、きものより薄い生地でつくられていますので、頻繁に洗いますと生地が痛んできます。シーズンの終わりに洗いに出されることをお勧めします。
■ 全体的な汚れ
・解き洗い張り
完全にきものの縫い口を解いて、生地の一片一片を木の枠に張って洗う方法です。昔はこの洗い方を各ご自宅で行っていました。一番綺麗に汚れが落ちる方法ですが、仕立を解いて行いますので洗い終わり後、仕立直しのため別途仕立代がかかります。
・生き洗い、まる洗い
文字どおり、専門の業者にておきものをまる洗いする方法です。比較的安価で全体の汚れを落とすことができるお手軽な方法ですが、きついシミや汚れは落ちない場合があったり、あまり頻繁に行いますと、生地を痛める場合があります。シーズンの最後にきもの専門店へお出しいただくことをお勧めします。
・汗抜き
かびや黄シミの原因となる汗を抜く方法です。シーズンの最後には必ずきもの専門店にお出しいただき、汗抜きを行うことをお勧めします。
■ 部分的なシミや汚れ
シミや汚れをご自宅でベンジン等を用いて処理されますと、余計にシミ汚れがひどくなったり、生地が痛んだり、生地がちぢんだりと、せっかくのおきものが取り返しのつかない事となります。
きもの専門店ではシミや汚れに関しては、ほとんどの場合しっかい屋と呼ばれるきもの洗いの専門業者に出しています。ある程度シミや汚れの原因(お化粧、食べ物、汗シミなど)が分かっていれば、それ専用の薬品を用い、専門の職人さんが処理いたします。
■ 単純なしわ、複雑なしわ
基本的に「絹は生き物」の原則から、ご自宅では処理なさらない方が無難です。アイロン等で間違ったしわのばしを行いますと、絹の風合いが失われる場合があります。
・たたみじわ等の単純なしわ
お召しになる前日「たとう紙から取り出したらしわが!でも今から頼んでいては間に合わない!」というケースが多いのではないでしょうか。そんな場合にご自宅で出来るアイロンを使った簡単な方法をご紹介いたします。アイロンの温度設定を「絹」にし、必ず手ぬぐいやハンカチ等の綿布であて布をしてください。あまり押し付けず、生地をのばすようにあてましょう。
・お召しになった後につく複雑なしわ
お召しになった後に帯やきもの帯まわりにつく複雑なしわは、ご自宅のアイロンでは取りきれません。それどころか生地を痛める原因となります。シーズンの終わりにきもの専門店へしわのばし、仕上直しに出されることをお勧めします。
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 | トラブル対策 |
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■ かび
かびは生地に発生するケース、金銀箔や金銀糸などに発生するケースなど色々ありますが、いったん発生してしまうと、きもの専門店におまかせいただくしか方法がありません。おまかせいただいても、完全には取れない場合が多い非常にやっかいなものです。
ご自宅では、いかにかびが発生しないようにするかが重要です。かびの原因は湿気です。まずお召し後の陰干しを行うこと、よく汗をかいた時、またはシーズンの終わりには汗抜きにお出しになることをお勧めします。
そして以外と知られていないのが、おきものをしまわれる際、和紙の薄紙に包んでたとう紙になおすことです。この和紙の薄紙が湿気を吸ってくれる強力な味方となってくれます。よく数年ぶりにたとう紙をあけると、この薄紙が茶色に変色している場合があります。これはきちんと薄紙が湿気を吸ってくれている証拠なのです。変色している時は薄紙の替え時です。
たんすの置き場は日のあたらない、風通しの良いところを選びましょう。加えて、半年に一度くらいは良く晴れた日を選んで、たんすの扉を開けて風通しを行うとベストです。
■ 金銀箔、金銀糸の変色
金・銀は箔であれ糸であれ、金属ですので、永年のうちに酸化等が原因で変色してしまいます。この場合は箔を置き直す、糸を替えるしか方法がありません。ただしその場合、他の染などによる柄も永年の変化で多少変色しており、単純に箔や糸を替えただけでは全体の柄のバランスがくずれてしまう恐れがあります。詳しくはきもの専門店とよくご相談のうえ、お決めになることをお勧めいたします。
また、銀箔・銀糸に関しては、特に酸化により変色しやすいのですが、陶器や漆器の古美術品に見られるのと同様、変色した色もまた味であるという考え方もあります。
■ おきものの「ふくろ」
きものの表地と裏地は、基本的に異なる織方で織られた生地を使用します。また、絹は生き物ですので、永年のうちにどうしても縮んでしまいます。この場合この異なる生地は伸縮率も異なりますので、結果的に表から見ると生地がふわっと弛んだ状態になる事があります。これを「ふくろ」と呼びます。どうしてもこの「ふくろ」が気になる場合は、仕上直しや裏地を替えるなどの処理が必要となります。
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